あとがき
今年(平成29年)2月に、埼玉織物工業協同組合は設立70周年を迎えました。昨年の定例理事会において、設立70周年の記念式典を行うことが決定され、併せて記念誌を発行することと致しました。時間的な制約から、当初は小冊子とする計画でした。先ず当組合事務所の書庫を調べたところ、そこには当協同組合の設立当初からの決議録や議事録がほぼ完全に保管されていることが分かりました。先達の歩みや苦労をしっかり書き留めておくことは現組合員の使命であると考えました。そこで単なる小冊子ではなく、きちんとした書籍としてまとめようということになり、この『埼玉織物工業協同組合 設立70年史』の発刊となりました。
記念式典に合わせての発刊となると、とにかく時間がない中での作業となり、編集者の齋藤眞澄様、ライターの清水仁之様、そしてデザイン・印刷・製本をお願いした巧和工芸印刷㈱の小宮山恭一郎社長、高橋慎一部長には多大なご尽力をいただきました。特に齋藤様には議事録等を読み解いていただき、裏付けを取るために、図書館や郷土資料館にも足を運んでいただきました。ここに厚く御礼申し上げます。また、事業者の生の声を載せるべく、組合員の皆様にはアンケート調査を行い、皆様には快くご協力していただきました。
埼玉県南部において、かつては綿織物産業が盛んだったことは、一般にはあまり知られていないと思います。本書により、埼玉県南部の綿織物産業が多少なりとも県や国の発展に寄与して来たことが多くの方に伝わればよいと思います。また、埼玉県南部の綿織物産業についての書物はほとんど出版されていないこともあり、本書がそれを後世に伝える一つの資料になれば幸いです。
最後に、本書は飯塚司理事長の強い熱意がなければ発刊されることはなかったであろうことを記しておきます。
平成29年6月
副理事長・70周年史編纂委員
高橋正